カレイドスコープ
この身をぎゅぅと抱きしめておくれ
その眼は僕に嘘をついているだろう
でも君は十分に君自身を愛してもいるだろう
他人にしか嘘をつけない君はどこか輝いていて
残酷である
自分にしか嘘をつけない僕とは大違いだ
その残酷さが時に羨ましくなったりもするよ
皮肉ではなくこれは本心で
自分に向けた嘘でもなくこれは本心だ
ただ、他人を弄ぶ君は胸の温かさを知らなそうだ
そうでなきゃ不平等だとも思う
要らないとでも思っているのかもしれない
そうであっても良いと思う
でも僕は胸の温かさをよく知っている
これが自分に向けた嘘だとしたら
死ぬその時まで騙されていたいくらいに心地よく
二度三度と求めてしまうものだ
君の嘘で固めた空っぽの僕を
どのように愛でるフリをするのだろう
頭を撫でようか、生温い頬にキスをしようか
または手を重ねてちぐはぐになってみようか
そのどれが一番喜ぶように映る?
どれも喜ぶように映るだろう
何故なら僕は自分にしか嘘をつけないからだ
喜ぶくらい容易い事だ
でもね、もし嘘をつかずにここにいてもいいならね