雨音と思い出
ほら、思い出してあげないから
また死んじゃったじゃない
ほら、手に取ってあげないから
埃がかぶってるじゃない
平気な顔で嘯いたってこの目は誤魔化せやしないよ
偽物の月は今日もゆらゆら揺れてら
ふらふら歩くあなたは何処へ行くのかしら
きっと僕の知らない街に帰るのだろう
その背中に声をかけてもあなたの目は前にしかついてないわけで、それが全ての答えだ
思い出を自覚なく殺したその手をそれでも僕は躊躇なく握れるのだろう
思い出にならないようにこの手に取り続けるのだろう
そっぽ向いてないで、ほら夜空が綺麗じゃない?
雨音が心地いいね。この月?偽物だよ
また今日の事も慣れた手つきで殺してしまうんだろうな、それならまた初めましてみたいに笑ってね