空飛ぶ鯨の巣

いや、フィクションですよ?

コミックス

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昔からあまり漫画等は与えられては来なかった

 

別にそれを不満に思ったことは無いし、与えられた絵本や図鑑達は面白かった

 

ある休日に、親だけが出かける日があった

寂しくないんだけど妙に心配されて、そのせいで若干不安になった

 

別にその日友達と遊べばよかったのだが

親は僕が好きそうな映画のビデオやお菓子、週刊少年ジャンプなどを買って出ていくもんだから家を出る選択肢は無くなった。

 

好きなものだらけで1人きり。ホームアローンかよ。土足でベッドの上を跳ねたかった。

 

お菓子を食べながら映画を見て、その映画の中のキャラクターと同じ踊りをしてみたり

普段やっている携帯ゲーム機を爆音でお菓子を食べた汚れた手で遊んでみたり

それはもう最高だった

 

日が暮れる少し前、ある程度やりたい放題した後に週刊少年ジャンプに触れた

 

正直前の話もキャラクターの名前も知らないので全く面白くなかった。急に違うクラスに放り込まれて変なノリを見せられた気分だった。

 

といいつつページを捲る手は何故か止まらない。与えられてきた絵本や図鑑にはない柔らかさ。そして何よりも匂い。あの漫画独特のインクらしい匂いに釘付けだった。

 

 

親に心配されなくなるまでこのような日は何度か訪れ、同じセットが用意されることになる

 

それを経た僕はあの本の匂いを嗅ぐと、今でも心が留守番気分でウキウキしてしまう。