ホット アイス
確実に僕の中からいなくなっていく
新しい情報や感情が入ってくるたびに
邪魔者みたいに追い出されていく
あんなに大事に握りしめていたはずなのに
僕の手にあの温度はとうに残っていなくて
冷え切った僕の手は自販機のホットココアから熱を奪う
じわりと体中を温かさが駆け巡る
それと同時に体が芯まで冷えていた事を知る
ほっと一息ついた頃に
代わりに冷たくなった空のホットココアは
用済みだからゴミ箱に捨ててやった
思い出の引き出しには鍵はかけず
誰かに見られたら恥ずかしいから深夜にこっそりと開けるのだ。
簡単に感傷に浸れる。痛いことを知る
未来は知らぬ間に肥大して、見たいものより手に取れる近いものに安心を得る。そんな僕が嫌いだ
理由も知らぬ涙を僕は愛す事ができるだろうか
切って貼って付けたみたいな脆い日々を
ヒビの1つもいれずに握ってやれるだろうか