空飛ぶ鯨の巣

いや、フィクションですよ?

フワリフワリ

夜な夜な傷心的になる。

時の動きを感じないほどの静寂に耳を傾ける。

共に傾く秒針の先が痛んで腫れた風船みたいな心をプスリと刺す。

 

窓辺で燻らせる煙は外に吸い込まれて

なんか少し嫌な匂いだけ部屋に残ってる

 

こんなこと考えるの何回目だろう。

擬似的な孤独を拒んだ

唇の代わりに動く指先はどこか虚しい。

全てのことに意味がないように思える。

 

妙に力んだ体を頭から順に緊張を解く、

口の中まで忘れてはいけない。

体が重く寝具に沈んでいくのがわかる。

まるで棺桶みたいだなとよく思う。

 

このまま朝になったら吸血鬼の様に灰になってしまうのではないかと焦る。

でもその場合だったら僕は夜を拒んではいけないなと矛盾にも気づく。

 

浮ついた心の爪先がどうにか地面から離れません様に。貴方もよく鏡を見ておきなさい。